筋トレで腰痛・膝痛は改善できる?

「腰が痛いから運動しない方がいい」「膝が痛いから筋トレはできない」そう考えていませんか?実は、腰痛や膝痛があるからといって、必ずしも運動を避ける必要があるとは限りません。症状や原因によって適切な運動を選ぶことで、筋力や身体機能の改善につながる場合があります。特に慢性的な腰痛では運動療法が有用とされており、変形性膝関節症に対しても運動療法は痛みや身体機能、日常生活機能の改善に有用とされています。 ただし、「筋トレをすればどんな腰痛・膝痛でも治る」という意味ではありません。痛みの原因を確認し、自分の状態に合った運動を行うことが大切です。

腰痛=腰だけを鍛えればいいわけではない

腰痛があると、「腰の筋肉が弱いから腰を鍛えよう」と考える人もいるかもしれません。しかし、身体はそれぞれの部位が単独で動いているわけではありません。股関節やお尻、お腹、背中などが協力しながら動作を支えています。

例えば、立ち上がる、歩く、物を持ち上げる、階段を上るといった日常動作では、腰だけではなく股関節や脚、体幹など多くの筋肉が働きます。これらの筋肉がうまく使えない状態になると、特定の部位に負担が集中することがあります。

そのため、腰痛対策では「痛い場所だけを鍛える」のではなく、身体全体の動きを見ながらトレーニングすることが重要です。

また、慢性腰痛に対する運動療法は有用とされている一方、急性腰痛については運動療法の効果が明確ではありません。腰痛の状態によって対応が異なるため、「痛いけど我慢して筋トレ」という考え方は避けましょう。

膝痛も「膝を休ませるだけ」が正解とは限らない

膝が痛いと、できるだけ膝を動かさないようにしたくなるかもしれません。しかし、長期間動かさない生活が続けば、脚の筋力や身体機能が低下する可能性があります。

特に変形性膝関節症では、運動療法が鎮痛、身体機能改善、日常生活機能改善に有用であり、2023年の日本整形外科学会のガイドラインでも運動療法が強く推奨されています。

膝周辺の筋力だけでなく、股関節周辺や体幹などを含めて身体を動かすことで、日常生活で必要な動作を行いやすくすることが期待できます。

ただし、膝の痛みの原因や程度によって適した運動は変わります。スクワットができる人もいれば、まずは椅子からの立ち座りや、負担の少ない範囲での脚の運動から始めた方がいい人もいます。

大切なのは「鍛えること」より「正しく動くこと」

腰痛や膝痛がある人が筋トレを始めるとき、いきなり重い重量を持つ必要はありません。

むしろ最初に意識したいのは、痛みを悪化させない範囲で、身体を正しく動かすことです。

例えばスクワットなら、「何kg持てるか」よりも、足の位置や膝・股関節の動き、体幹の安定などを確認します。

ヒップヒンジのように股関節を使う動作を練習することも、日常生活で腰に負担をかけにくい身体の使い方を身につけるきっかけになります。

筋トレは「重いものを持ち上げる競技」ではありません。自分の身体を思い通りに動かす能力を高めることも、トレーニングの大切な目的です。

「痛い=全部やめる」ではなく「できること」を探す

腰や膝に痛みがあると、「運動できない」と考えてしまいがちです。しかし、運動にはさまざまな方法があります。

立って行う運動が難しければ座ってできる運動を選ぶ。負荷が大きければ重量を下げる。回数を減らす。可動域を調整する。マシンを利用するなど、自分の状態に合わせて方法を変えることができます。

大切なのは、「できる・できない」の二択にするのではなく、今の身体の状態で何なら安全にできるのかを考えることです。

そして、運動を続ける中で少しずつできることが増えていけば、それも立派な身体の変化です。

筋トレだけでなく、日常生活も見直そう

腰痛や膝痛を考えるとき、トレーニングだけに注目するのもおすすめできません。

長時間座りっぱなしになっていないか、歩く時間が極端に少なくなっていないか、階段を避け続けていないかなど、普段の生活も見直してみましょう。

特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける人は、適度に立ち上がったり、少し歩いたりする習慣を作ることも大切です。

また、体重が増えている場合には、食事や日常活動を含めた体重管理も身体への負担を考えるうえで重要になります。

「週1回ジムに行けば全部解決」ではなく、日常生活も含めて身体を動かす習慣を作っていくことが大切です。

痛みがあるときほど無理をしない

ここで非常に重要なのが、痛みを我慢してトレーニングを続けないことです。

筋トレでは「多少きつくても頑張る」という場面がありますが、筋肉の疲労感と、関節や神経などに関係する痛みは同じではありません。

運動中に痛みが強くなる、運動後も症状が悪化する、しびれがある、力が入りにくいなどの症状がある場合は、自己判断でトレーニングを続けず、医療機関などで原因を確認することが大切です。

特に膝の痛みについては、適切な運動を行うために整形外科的な評価が重要とされています。日本整形外科学会のガイドラインでも、適切な運動療法を行うためには画像評価を含めた整形外科学的評価が重要とされています。

筋トレは「治すため」だけでなく「動ける身体を作る」ため

腰痛や膝痛があると、「痛みをなくすこと」だけに目が向きます。

もちろん痛みを軽減することは大切ですが、それと同時に考えたいのが、これからも自分の身体を動かし続けられる状態を作ることです。

筋力がつけば、立つ・歩く・階段を上る・物を持つといった日常生活の動作を行いやすくなる可能性があります。

特に年齢を重ねるほど、「痛くなったから動かない」→「動かないから筋力が落ちる」→「さらに動くのが大変になる」という悪循環を避けることが重要です。

だからこそ、自分の状態に合わせて無理なく身体を動かす習慣を作っていきましょう。

まとめ

「筋トレで腰痛・膝痛は改善できる?」という質問に対しては、適切な運動によって痛みや身体機能の改善が期待できるケースはありますが、すべての痛みに筋トレが適しているわけではありません。

大切なのは、痛い部分だけを見るのではなく、股関節・膝・腰・体幹など身体全体の動きを確認し、自分に合った運動を選ぶことです。

そして、重い重量を扱うことよりも、まずは正しい動作を身につけること。

「痛いから運動できない」と諦めるのではなく、今の自分にできる運動から少しずつ始める。

それが、将来も自分の身体を動かし続けるための大切な一歩になります。

エクサライズでは、一人ひとりの身体の状態や目的に合わせて、無理なく取り組めるトレーニングを行っています。「腰や膝に不安があるけど運動したい」「何から始めればいいか分からない」という方も、まずは自分の身体と向き合うところから始めてみましょう。

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荒木